映画「坂道のアポロン」感想


「坂道のアポロン」予告編

映画「坂道のアポロン」を見てきた。

知念侑李くん初主演映画。まずは、公開おめでとうございます。Hey!Say!JUMPを好きになってからというもの、メンバーの出演作品を劇場で観る機会が多くなり、言ってしまえばキャスト先行型で作品を観てきたもので、今回漫画実写化ということもあり初めて原作を読んでから観てみたのだけど、そうしたところあまりの漫画の素晴らしさに映画を観るまでに原作に思いを入れ込みすぎてしまう、という予想外の展開に。原作、読みやすいしすごく面白かった。もう、色んな思いが交錯しすぎて、絶対みんな幸せになってくれ…って願いながら読み進めてた。

映画の感想はというと、正直”実写化”の作品作りの難しさを思い知った。いや、一言目でいきなり制作側の人間みたいなこと言ってしまってすまない、原作に思いを入れ込みすぎてしまってな…。つまり、原作分の物語を削って映画サイズにするという単純なことではなくて、削ってさらにわかりやすく繋げるための”改変”が不可欠だということ。大前提として実写化にはわかりやすく二次元と三次元という壁が存在していてそこでよく言われるのが「別物だと思え」の常套句。意味は違えど、本当の意味での別物なんだなと思った。

漫画の坂道のアポロンには印象的な場面がたくさんあって、例えば薫が「サウンド・オブ・ミュージック」の上映館を見つけて律っちゃんを連れ出すシーン、淳兄と百合香さんが駆け落ちをするシーンなど、映画を観る前から「このシーンは映画でどう描かれるんだろう?」と思ってたシーンが思った以上になくなっていたのはやはり正直に言わせてもらうと少し残念であったけど、上記の作品作りの難しさからいって当然全てのシーンを描くことになればそれこそあれもこれも全部が全部詰め込まれる形になるわけで、そこは映画としての描き方ということで受け入れなければならないところなのかな、とも思ったわけで。その中でも良かったシーンを挙げるとすると、やっぱ学園祭の演奏シーン。 


『坂道のアポロン』劇場ロビー用SP映像

こんなSP映像もあった。これはいいものだ。

この前のシーンで初めてムカエレコードの地下室に薫がやってきて、ドラムの前に座った千太郎がシンバルを豪快に打ち鳴らした瞬間、私は思わず「こんな音をしていたのか」と思った。漫画での視覚的描写がそのまま耳に入ってきたような感覚があった。そこから始まり、初めてのセッション、そしてこの学園祭での演奏シーン。良かった。

知念くんは映画のために1年半ほど前からピアノを練習してきたらしい、というのは知っていたけど「1年半ほど前から始めて果たしてここまで出来るようになるのか」は謎で「でもほら、知念くんだから」で合点がいってしまいそうな知念くんの飲み込みの速さもすごいし、そっちにばかり気をとられがちだったけどいざ聴いたら中川大志くんのドラムもすごい。すごいしか言えてない。個人の演奏と合わせての演奏、すごい練習量だったのだろうな。すごい(語彙をあきらめる)。

物語の大きなテーマである音楽(ジャズ)を良い音響で聴けるのと、あの即興で熱くなっていく演奏の迫力は映画館で観るべきものかもしれないなと思った。

まあ、とにもかくにも私は青春映画が大好きなんだけど。

作品の「一生もの」という言葉、ほんとにいい言葉だと思った。学園青春映画だと「こうしていられるのもこれが最後だね」なんて言葉が付き物だけど、そこでスパッと全てが終わるわけじゃない。作品では10年後の物語まで描かれていて登場人物たちの関係性に憧れると同時に、映画ほどドラマチックじゃなくたってその「一生もの」を誰もが手にしているのかもしれないと思った。忘れられない人のこと忘れなくてもいいじゃん。会えなくても会いたいって思い続けてもいいじゃん。自分が手にした「一生もの」を大切にしよう。

最後に、映画を通じて「坂道のアポロン」という作品に出会えたことに感謝。